歌の生徒さんのMさんが急逝されました。享年69歳。あまりに突然のことで、受け入れ難い思いで茫然としています。
3月の発表会の1週間前のレッスンでは元気に歌っておられたのに、数日後に「体調が思わしくないので発表会出演は見合わせます」と、そしてその後「しばらくレッスンをお休みします」と連絡がありました。案じていると、つい数日前、どうやらかなり深刻な状況だと知らせてくれる人があり、驚いて「養生なさって、また素敵な歌を聴かせて下さい」とLINEしたら既読が付いたのですが、何とその翌日お亡くなりになったとの連絡。今日は告別式でした。
私は2年前にも、Sさんという71歳の生徒さんを亡くしました。その方も、直前までコンサートにお出になる予定でレッスンを重ねていたのに、直前に体調不良で欠場され、そのすぐ後に亡くなられました。難しいご病気だったと後で知りました。病名が分かった時にはもう手遅れだったと。
お2人とも、生徒さんとはいえ自分より年長ではありますが、今の時代としては早過ぎる年齢です。「一期一会」という言葉がひどくリアルに心に響いてきます。お人柄が偲ばれる野辺送りに、「よく生きるとは、喜んで生き、喜んで死ぬこと」という仏典の言葉が去来しました。民謡を長く続けられ、保育園の園長として活躍なさり、お子さん方やお孫さん方を慈育され、退職後は地域貢献にも励まれたと。接するすべての方に愛情を注がれ、慕われた方であったと。お写真や病床でのメモを拝見し、その温かく思いやりあるお人柄に改めて打たれました。ご縁に心から感謝します。今はきっと肉体の苦しみから解放されてお楽になられ、また歌っておられることでしょう。