音楽と直接関係ない話が続きますが、よろしければお付き合い下さい。
山元加津子さん、通称かっこちゃんという作家さんのことを、このブログで何度か紹介しました。深い叡智をハートウォームなメルヒェンに託し、非常に平易なことばで心の深層に響くお話を紡ぐ方です。幼い頃から森羅万象の不思議に心をとらわれつつ、お友達が怪我をすると同じ所が痛くなって一緒に泣いてしまうようなハイリーセンシティヴなお子さんだったそう。長じて理系に進まれるも、特別支援教育に長く携わった後で作家に転身されました。
音大生の頃、哲学の授業でマルティン・ブーバーの「我ー汝関係」という概念、自我というものは単独では存在せず、相手との関係の中に表れてくるものだという考え方を知ったのですが、かっこちゃんは教え子のお子さんたちとあっという間に「我ー汝関係」になれる特殊な才能をもった方です。
今朝のかっこちゃんのブログに、量子力学の砂子教授との対話が載っていました。
砂子教授は言います。
宇宙の存在の量子的ゆらぎを支えているのは自他のつながりかもしれない、(中略)
存在は<あなた>と<わたし>のあいだにある。だから愛ともいえるね。(中略)
愛は宇宙のもっとも根本的な構造になってるということになる。
自他がひとつになって流動しているのがゆらぎの正体だね。(中略)
物理の中に自他がでてくるのは変に思うかもしれないけれど、存在という
のは観測者ぬきにはありえないのです。存在そのものは物じゃない。概念的なもの
で、だからといって主観的ではない。かといって客観的でもない。主観と客観が
統合されている場所が存在だね。それを文学的にいえば愛というわけ。
かっこちゃんは応じます。
存在というものは観測者抜きには考えられない。
たとえば、光が観測の仕方によって粒子になったり波になったりするように、
観測者がいないと、存在はどんなふうか決まらない。(中略)
だから関係によって生まれてくる。(中略)
そして、それは、主観と客観のあわさったところだから、
だから、わたしとあなたとの重なり? 愛?
朝から心の奥深くに揺さぶりがかかりました。皆様とシェアしたくて投稿した次第。