今は昔、高校の合格発表を見に行く勇気がなかった私は、同じ高校を受けた友人に、合否を電話で知らせてくれるよう頼みました。その友人ともども無事合格したことを知らされた私は、安堵してやおら合格発表を見に行き、校舎の外壁にずら~~っと張り出された合格者の受験番号と名前の一覧を確認して写真に収めました。45年前のことです。
昨日、その同じ高校に甥が合格しました。イマドキの合格発表はウェブなんですね。10時に発表なのに寝過ごしたらしく、10時過ぎに慌ててアクセスしようとしたけれどうまく繋がらず、そうこうしているうちに友達から「おめでと~」というLINEが来て合格を知ったとのこと。自分で確認する前に友達が知らせてくれた、というのは私と同じ。まあ、甥の場合はなりゆきだったわけですが(笑)。
この高校、(男女共学校なのに)私たちの時代は女子しかいませんでした。何と34年間に亘って事実上の女子高だったのですが、同窓会と学校が協力して男子入学推進運動を展開し、2012年から男子が入り始め、昨年は男子が女子を上回るまでになり、熊本の県立高校の中で一番入試競争倍率の高い人気校になった由。
うちはどういうわけか、父方の身内の女性のうち6人がこの高校出身。熊本というところは異様に高校閥が強く、タクシーに乗っても「お客さん、高校どこですか」と訊かれる、という笑い話があるほどです。私の場合は、父が「女の子はここ」と他の学校を認めなかったのと、伝統的に音楽が盛んで、中学校の音楽の先生から勧められたことが主たる志望動機でした。然るに甥の場合は塾の模試等の点数で決めたらしい。考えてみたら「通りそうな高校を受ける」というのがごく普通の志望動機なんですね。校風とか家からの距離とか、副次的な要素はあるにしても。私の感覚はかなり世間からずれていたようです。
ともかく、これで身内に同窓生が7人になりましたが、初の男子です。この甥も、いかにも女子高という歌詞の校歌を歌うことになるんだなあ。感慨深いです。