先日、「大化け」した高校生のことを書きましたが、彼女が無事、隣県の音楽大学に合格しました。
受験前日にはS先生にレッスンして頂き、お食事もご馳走になり、当日の朝まで面倒見て頂いたそうです。私から御礼申し上げると、S先生は「自分もそうしてもらってきたから、これも「恩送り」です」と仰いました。本当に有難いことです。
振り返れば、うちに初めて来たのが高2の11月。ミュージカル劇団の試験を受けたいと言うのですが、試験まであと1年もない上、全くの声楽初心者で合唱の経験さえない、と。内心かなり危ぶみましたが、かつての恩師W先生の「私は「無理」とか「ダメ」とは言いたくないの」というお言葉が蘇り、ともかくやるだけやってみようと覚悟を決めました。
そして、レッスンを始めて3か月後にS先生の公開レッスンを受けられたのが、彼女にとっては大きな幸いでした。そこから思いもかけず音大受験という道を示され、この短期間で音大合格にまでこぎつけたのですから。
とはいえ、これはスタートライン、これからが本当の修行です。若さとは可能性を生かし、未来を切り開いていく力。前途の明るからんことを切に祈りつつ役目を引き継ぎたいと思います。時あたかも早春。これからまた新しい出会いがめぐってくることでしょう。