熊大の後期博士課程に在籍していた2003年から3年間、クラシック音楽を愛好する学生たちが集う「クラシック研究会(略してクラ研)」によくお邪魔していました。音楽学の女性准教授K先生の研究室が根城で、みんな特に目的もなく三々五々集まり、ただまったりとコーヒーを飲みながら他愛ないお喋りをしてはまた出ていく。時々ちょっとしたイベントをする。そんなゆるーい同好会で、30代も後半になっていきなり倫理学の論文など書き始めた私にとっては、苛酷な研究生活の貴重なオアシスタイムでした。専攻も出身もバラバラでしたが、K先生の気さくさと包容力のお陰で、若い学生さんたちとつかず離れずの心地よい関係を持つことができました。
K先生もご退官なさり、同窓会を兼ねて5年前に一度集まってミニコンサートをしたのがついこの前のようですが、あれから5年、今度はK先生の古希を祝って集まろうということになり、再びミニコンサートの運びとなりました。
かつての日、芸術学の前期博士課程にいたNさんと独文の前期博士課程にいたIさんと私の社会人学生3人で「トリコローレ」というボーカルアンサンブルを作り、色々な機会に出没してはお互いに伴奏をしあいながら歌っていました。K先生の影響で音楽療法士になったNさんとは、卒業以来会う機会が減ってしまいましたが、Iさんとは今でも濃いお付き合いが続いています。そこで今回はIさんに伴奏してもらって、中田喜直の「むこうむこう」とシューベルトの「夜咲きスミレ」を歌いました。
Iさんは弾き歌いで山田耕筰の「この道」とシューベルトの「野ばら」を披露。前回のクラ研コンサートを機にうちにレッスンに来られるようになったFさんも、私の伴奏で日本歌曲を2曲歌われました。いい歌を歌われましたが、私の伴奏のへたくそなこと💦我ながら呆れるばかりですが、真摯な歌声に免じてご寛恕をば。
Nさんは骨折・手術・リハビリ中とのことで今回は残念ながら演奏なしでしたが、黒柳徹子ばりの懐かしいマシンガントークで場を盛り上げてくれました。
他にもリコーダーやピアノの演奏、小学生のお嬢さんのピアノ伴奏での歌のご披露など、長年クラ研コンサートに会場をご提供いただいてきたギャラリーKに心温まる素朴な音楽が流れました。
K先生もとてもお喜びで、来年もやりましょうと自ら幹事を引き受けて下さいました。また来年が楽しみです。