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第九初演200年

今年はベートーヴェンの第九交響曲が世界初演されて201年目なのだそうです。初演は1824年5月7日、場所はウィーンのケルントナートーア劇場。指揮はベートーヴェン本人、しかし既に完全に失聴していた彼は、演奏後の客席の大喝采が聴こえず、見かねたコンサートマスターが後ろを振り向かせて、そこでようやく初演の成功を知ったと。何とも胸の潰れるようなエピソードです。

ちなみに、第九の日本初演は1918年6月1日、徳島・鳴門の坂東俘虜収容所(第一次世界大戦で敗れたドイツ兵たちの収容施設)でドイツ人捕虜たちによって演奏されました。

日本人による日本での第九初演は1924年1月26日。九州帝国大学フィルハーモニー会が、昭和天皇のご成婚を祝って第4楽章のみを演奏したのだそうです。全楽章の初演は同じ年の11月29日、東京音楽学校(現東京芸大)オーケストラによって行われたそう。

今では年末の恒例イベントとして日本全国津々浦々で演奏されています。これはNHK交響楽団が草創期の財政難の中、団員に年末手当を支給するための苦肉の策として、集客のしやすい合唱を含む曲で興行を打ったのが始まりと聞いています。そのN響と長いこと合唱で共演してきたのが、我が母校の国立音楽大学。私も3年生の時、今はN響桂冠指揮者となったブロムシュテットの指揮で合唱に参加しました(しかし大風邪をひいて初日だけしか舞台に立てず、残る4日間は舞台袖で演奏を見守りました)。

世界初演200年を記念して、熊本市国際交流会館で4月1日から27日までパネル展示が行われることになりました。そこで、熊本日独協会が協賛イベントとして「第九」ミニコンサートを企画、我が日独協会協会合唱団コール・クライゼルが合唱を担当することになりました。10分程度のハイライト演奏になります。
降って湧いたお話で、今日から早速練習を始めました。第九は何度聴いても、血沸き肉躍る興奮を覚えます。しかし歌うのは大変。特にソプラノにとっては苛酷で、高音のロングトーンなど脳貧血になりそうです。うちの団は高齢者が多いので、体力がもつか心配。多少は応援をお願いしないといけないかなと思いますが、こういう意義ある催しに参加できるのは喜ばしいことです。皆で頑張りたいと思います。


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