小中学校時代の同級生のお嬢さんが、素敵な声楽家になって故郷で初のリサイタルを開きました。
友人と一緒に聴きに行ってきましたが、まあ何ともはちきれんばかりの瑞々しさ!その知的で優美なたたずまいと美声も相俟って、すっかり心奪われて舞台に見入ってしまいました。若さというものは、若くなくなってから初めて気づくものなのでしょうか。
プログラムもセンス良くまとまっていて、配慮の行き届いた演出にも知性が滲んでいました。何より、これからどんなふうに伸びていくのかと、無限大の可能性に心躍る思いでした。
私にも若い時がありましたが、私はいろいろな意味であまり歌には向いていませんでした。最初からそう言われながら、情熱もだし難く前後の見境もなくこの道に突き進み、曲がりなりにも演奏活動を始めたのは30代も終わる頃。それでも20年以上舞台に立ち、やりたいことはほぼやり尽くしたので悔いはありません。これもまた人生。そして、曲折もまた若さゆえであったと。人生は本当に人それぞれです。