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母の日

私の母は歌が好きで、若い頃はきれいな声でよく歌っていました。今はグループホームにお世話になっていて、コロナ禍で面会も叶いませんが、外出できるようになったらまた一緒にコンサートに行きたいと思っています。
母の日を迎えるたびに、ドヴォルザークの「我が母の教えたまいし歌」が心に浮かびます。原詩はチェコ語ですが、ドイツ語訳でもよく歌われます。

Als die alte Mutter mich noch lehrte singen,
Tränen in den Wimpern gar so oft ihr hingen.
Jetzt, wo ich die Kleinen selber üb im Sange,
Rieselt’s mir von Auge rieselt’s oft mir auf die braune Wange!

昔、老いた母が私に歌を教えてくれた時
その睫毛にはいつも涙が浮かんでいた
今は私が子どもたちにこの歌を教える時となり
日に焼けた私の頬に涙が流れる

この曲が収められている「ジプシーの歌」全7曲の歌詞は、荒野を放浪するジプシー女の一人語りという形で書かれていて、その土俗性が何とも言えず魅力的です。特にこの曲は、ゆったりとしたシンプルなメロディと歌詞の哀切さが相俟って、ひときわ心に響く名曲だと思います。そしてこの曲を歌うたびに、若い頃クリスチャンだった母がいつも口ずさんでいた讃美歌のメロディや歌詞、そして母の歌声が脳裡をよぎります。

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