感動や深い共感を表す「琴線に触れる」という言葉がありますね。好きな日本語の1つです。
長年合唱をなさっているUさんという男性、先日の発表会で最高齢(80代)のFさんが歌われた「落葉松」をお聴きになって、合唱で歌ったことがある曲なのでソロでも歌ってみたい、と昨日のレッスンに持ってこられました。とりあえず一回歌ってもらおうと思ってレッスンを始めたところ、途中で感極まって歌が止まってしまいました。
私は伴奏しながらUさんの甘く柔らかいお声に滲み出てくる心の動きを感じ、「ああ、これはヤバい(←あまり美しい言葉ではありませんね(-_-;))」と思った刹那のことでした。この曲はそういうことがよく起こる曲です。この曲を初めてステージで歌った20年ほど前、聴きに来て下さった生徒さんが後部座席で号泣しておられたことを思い出しました。その方はご主人を亡くされた後でしたが、Uさんもごく最近お身内を亡くされたとのことでした。
今朝の朝ドラもヤバかった(←何か他の表現はないものか(-_-;))ですね。今週は毎朝泣きっぱなしですが、数日前に友人からも「朝から号泣です」とメッセージが来ました。彼女も最近お父様を見送られたばかりですが、その数年前に先立たれたお母様との確執に長年苦しんでいました。私にもその気持ちが少しわかります。家族を通して「赦し」を学ぶことは、多くの人にとって人生で一番大きな課題かもしれません。歌には心の底の蓋を開く力があります。そして封印した感情を浄化、昇華するツールになり得るようです。