Iさんのリサイタルが無事終わりました。昨年に続き、今回もコロナ禍の中での開催、特に今回はまん延防止等重点措置が明けていない中でしたから、ご来聴のお客様は多くはなかったのですが、来られた方たちは満ち足りた表情で帰っていかれました。

そして翌日。レッスンに見えたOさんとひとしきりリサイタルのことを話した後でいつものようにレッスンに入ると、Oさんの声の伸びがとても良いのです。発声の時も歌を歌って頂いても、高音から低音までムラなくよく響くし、特に高音はHigh Fまで軽々と出ます。ご本人は全然喉にさわらないし、そんな高音を出している気もしない、とのこと。さらにその翌日レッスンに来られたMさんも同様でした。Oさんは80歳に近く、Mさんも70代という年齢を考えると驚くべき現象です。

昔、W先生が「発声の良い人の声を聞いた後で歌うと自分も実力以上に上手に歌える」、「声が荒れた時は、発声の良い人（加えて、自分の声と似ている人だとさらに良い）のCDを聴くと声帯が整う」、「ソプラノの人は、上手なヴァイオリンの演奏を聴くと声が出やすくなる」という話をして下さったことを思い出しました。これは波動の関係でそうなるのだそうです。「波長が合う」というのはこういうことなのでしょう。Iさんの声の波動が聴衆の心にも体にも良い作用を及ぼしたのですね。