春になると入門希望の方からのお問い合わせが増えます。人間も動物なので、春には何かムズムズしてくるんですね。冬眠から醒めるような感じなんでしょう。
さて、声は誰もが普段からしゃべることに使っていますが、歌声というのはまた別で、歌う習慣のない方の声はまだ「眠っている」、というのがぴったりです。
これを目覚めさせるのがボイストレーニング。声のスイッチはどこにあるのかというと、ズバリ「丹田」です(喉ではありません)。
しからば、いかにして丹田のスイッチを入れるか。おへそに親指を当て、人差し指で逆三角形を作って、息を強く吐くと、その人差し指の先端あたりが硬くなります。そこを丹田だと思ってください。同時に、裏丹田と言われる「命門」を意識します。おへその真後ろあたりだと言われます。腰に手を当て、斜め下の丹田も意識して、丹田に息を吐きおろします(このように丹田を感じることを「意守丹田」と言うそうです)。
腰(丹田と命門)から襟首あたりまで、太い筒が通っているとイメージしましょう。この筒を息の道だと思って下さい。「歌は呼吸が7割」と言いますが、この息の道を意識できるようになり、深い呼吸ができるようになること、これがボイストレーニングの第一歩です。