あけましておめでとうございます。今年も宜しくお願い致します。
今年も「よい発声」を探究していきたいと思います。年頭にあたり、よい発声のための要点を整理しておきたいと思いますので、どうぞご参考に。
1.喉を開けよう
声に響きをつける第1の共鳴腔は喉(下咽頭腔)です。声帯のすぐ上にある蓋(喉頭蓋)を開けて息の通り道を作りましょう。
2.口の奥行きを深くしよう
喉頭蓋を開け、息の通り道を広くしたら、その先の道も広く保ちます。口蓋垂の後ろの空間を確保しましょう。
3.上あごを上げよう
第2の共鳴腔は口腔です。口腔を広くするためには軟口蓋(上あごの奥)を上げなければいけません。あくびをした時の上あごの動きを観察しましょう。
4.下あごの力を抜こう
下あごに力が入っていると下咽頭腔を圧迫し、舌根も固くなり、下あごに息がまとわりついて上へ抜けません。下あごの力を抜きましょう。
5.舌を柔らかくしよう
舌が固いと滑舌が悪くなります。舌根のあたりをマッサージしたり、舌のストレッチをしたりして舌がスムーズに動くようにしましょう。日本語話者は特に入念に!
6.体の筋肉を柔軟にしよう
肺に空気を入れたり、吐く息を長持ちさせたりするのは、肺を動かす呼吸筋(肋間筋)、肺の下の横隔膜、横隔膜と拮抗する腰回りや足の筋肉です。いろんなストレッチを試して、自分の体にフィットするものを組み合わせ、実際に声を出す前に必ずやりましょう。ストレッチをせずにいきなり歌うのは、準備運動なしで海に飛び込むようなものです。
7.唇を動かそう
日本人は表情筋をほとんど使わずにしゃべるので、唇や頬の筋肉の動きが不十分です。意識的に動かしてほぐしましょう。
8.声帯の弾性を高めよう
声帯をくっつけたり伸ばしたりするのは、声帯の動きをつかさどる声帯筋のはたらきです(むろん、それを補助する胸や背中の筋肉の働きも不可欠です)。裏声、地声、動物の鳴き声のマネ、ロングトーンにコロラトゥーラ、ポルタメント、いろんな声を出して声帯を自在に動かせるようになりましょう。
9.呼気を高く上げよう
息が口から洩れないでまっすぐ上に行けば、第3の共鳴腔である副鼻腔に届きます。蝶型骨という大きな空洞に呼気が当たれば、とてもよく響きます。トランペットのマウスピースを吹くのがとても効果的です。
10.息を押し出さないようにしよう
声を前に飛ばそうとして呼気筋で息を絞り出すと、とても苦しいのです。吸気筋を優位に使うために軽く胸を張りましょう。姿勢が大事。前かがみになると呼気筋を刺激しますのでご注意。