中1女子のレッスンでイタリア歌曲の練習を始めました。英語が得意で既に英検準2級に合格しているそうで、英語の発音には慣れているようですが、イタリア語の発音はまた別です。イタリア語は比較的日本語と音韻構造が似ていますが、やはり口の奥のあき具合が全然違うので、まず母音を「口の奥を開けて」発音するようにしないといけません。ワインコルクを奥歯に挟んで、母音だけで歌ってみる練習をしたりします。
そこに子音をつけるのですが、初心者の場合、「r」や「l」が出て来るとその前の母音がちょっと短くなって舌が後ろに動き、母音が一瞬ですが曖昧になってしまうことが多いのですね。なるべくまっすぐ、なるべくギリギリまで母音を伸ばすようにしないと英語っぽくなってしまいます。曖昧母音が少ないのがイタリア語の特徴で、それが日本人にとってはラクな点ですが、日本人は外国語といえば最初に英語なので、どうしても英語の発音に引きずられがちです。私がドイツ語を教えている大学生たちも、英語学科の学生さんは特に発音が何だか英語っぽい。ドイツ語もイタリア語も、まずはなるべくまっすぐ母音を伸ばす練習をする方がいいですね。