日本語では「きよしこの夜」という歌い出しで知られる讃美歌「聖夜」、オリジナルはドイツ語です。大学のドイツ語の授業で毎年12月の歌としてドイツ語で歌うのですが、昨今はこの曲を(日本語で)歌ったことのない学生さんも結構いて驚きます。
この曲の歌詞は「静かな夜、聖なる夜」という言葉で始まるのですが、ドイツのクリスマスイヴの静けさは今も強く印象に残っています。日本の大晦日から元日にかけてのような感じです。日頃は教会に行かないドイツ人たちもクリスマスだけは別のようで、ドレスデンの聖十字架教会のクリスマス礼拝に参列しようとしたら長蛇の列ができていて、戸外で開門まで2時間待ちました。
授業で使う音源は、教会の鐘の音に続いてパイプオルガンの前奏、それに和して少年合唱の美しいハーモニーが続く演奏の録音で、ヨーロッパのクリスマスの雰囲気が立ち上ります。
最近はドイツでも、何とクリスマスの由来を知らない若者も多いとか。どの国、どの文化圏にも、その土地に特有の伝統的な宗教性があるでしょうから、年に一度ぐらいはそういった宗教的な雰囲気の中で過ごす一日があってもよいのではないでしょうか。