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児童文学の思い出

アグネス・ザッパーというドイツの女性作家が書いた『愛の一家』という長編児童文学作品をご存知の方はどれぐらいいらっしゃるでしょうか。子供の頃大好きだった本で、大原富枝訳を繰り返し読み、今でも細部に至るまでよーく覚えています。ずっと持っていたのですが、熊本地震やその後の断捨離のどさくさで手許から消えてしまいました。この本がなぜか無性に読みたくなり、検索してみると今でも福音館書店から出ていたので早速取り寄せました。遠山明子訳です。

内容は、ペフリング先生という音楽学校のピアノ教師の一家の物語で、7人の子どもたちと耳の遠いお手伝いさんを含め10人の家族が一冬の間に次々に引き起こす小さな出来事が活写されています。ドイツがどこにあるかも知らなかった小学生の頃、この本でドイツの一般家庭の日常の様子、学校や家庭のあり方、特に子どもに対する躾の厳しさ、またクリスマスの過ごし方などを知り、新鮮な驚きを感じたものでした。特に父親のペフリング先生がピアノの名手であったり、アコーディオンやヴァイオリンを弾くのが大好きな「夢見る男の子」の引き起こす小さな事件がたくさんあったり、音楽がらみの話がちょこちょこと出て来るのが嬉しくて、思えばこの本によって、ドイツに対するほのかな憧れが心に兆したのでした。

大人になってからも何度も読み返し、ドイツ語の発音や文脈の翻訳ミスと思われるところを確認したくて、ドイツに留学した時に図書館に依頼して原典を取り寄せてもらい、コピーを取って日本に持ち帰りました。しかし日常に忙殺され、これも家の中で行方不明になったまま20年以上が経ってしまいました。何とか探し出してもう一度読みたいと思います。

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