昨日は熊本日独協会の例会で「歓喜に寄す~シラーとベートーヴェン」という講題でお話をさせて頂きました。シラーとベートーヴェンを結びつけていたのは、哲学者カントです。話しながら、カントの思想の高邁さに改めて感慨を深くすると同時に、困難の多かったベートーヴェンの生涯と、「苦悩を突き抜けて歓喜へ」というあの有名な言葉が胸に迫り、思わず涙ぐんでしまいました。
そして午後はYさんのリサイタルへ。日本の歌オンリーの、懐かしく親しみやすいコンサートでした。途中にピアニストの楽しいトークと演奏の時間が挟み込まれ、二重唱の相方さんの軽妙なおしゃべりもあり、連れて行った父と母も喜んでいました。このリサイタルに向けて一生懸命レッスンに通われたYさん、年齢を感じさせないお声と、年齢が醸し出す表現力が相俟って、どれもとても魅力的な歌でした。レスナー冥利に尽きる時間でした。
コロナ禍の中での二度目の秋、今年は少しずつ芸術的な時間も持てるようになり、心の洗濯ができました。今朝はいい気分です。