昨日に続き腰の話ですが、昨日、テノールの方がレッスンに来られました。立派な体格の割には下半身の筋力が弱く、歌っていると上半身が揺れ出します。そこで、「まず大あくびをして下さい。丹田に力が籠ったら、その力を抜かずに、拡がった胸郭をそのままに、肩の力を抜いて歌って下さい」と言うと揺れは止まりますが、丹田の力を維持できず、次第にみぞおちあたりに力が入ってきます。そこで「上半身の力を抜いて下さい」というと、フォーム全体が崩れてしまう。そこで仕切り直し。「まず土踏まずに重心を置いて下さい。それから大あくび。丹田の力を確認。みぞおちはラクに。そのまま、土踏まずに置いた重心が外側に流れないようにして歌って下さい」と言うと、今度はばっちり素晴らしい声が続きました。歌い終わって「どこに一番負荷がかかっていますか?」とお尋ねすると、「内股」だそう。汗を拭き拭き「汗だくです」と仰いました。姿勢がすごくよくなっています。歌っている時にフォーカスする部位は「足と腰」。上半身はただ開いているだけ。このフォームで歌うとすごく元気になれます。