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楽に寄す

シューベルトの歌曲に「楽に寄す」と訳された名曲があります。ドイツ語で「An die Musik」。昨日、Oさんがレッスンに持って来られました。シンプルながら何とも神聖で温かい雰囲気の曲で、ドイツ歌曲の勉強を始めた頃、この曲に出会って、その歌詞に大変感銘を受けました。Oさんは若い頃、日本語訳で歌ったことがあるそうです。堀内敬三訳だったと仰っていたので、調べてみました。

楽の音(ね)──
わがなやむとき
心をおとずれては
あたたかき愛を充てつつ
清らかなる境に
わが身をともないぬ

妙なる琴のひびきの
さやかに鳴りわたれば
この世にもあまつ幸あり
くすしきかな 楽の音
とうとしや 楽の音

何と格調高い文語訳でしょう。改めて、かつての時代に日本語訳を試みた先人たちの教養と共感度の高さに圧倒されます。原詩はシューベルトの親友だったF.ショーバーが書いたものですが、音楽に対する愛と感謝に満ち溢れた内容にいつも心を打たれます。シューベルトの付曲がまた素晴らしい。淡々とした素朴な和音連打から始まり、メロディもごくシンプルですが、難しい。ごまかしの効かない歌です。それだけに、一生歌い続けたい、座右の銘のような歌でもあります。

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