半年以上ぶりに、中学校で理科の先生をしておられるSさんがレッスンに来られました。来週、勤務先の学校で校内合唱コンクールがあるそうです。コロナ禍のこのご時世、生徒たちの学びや体験の機会を守るために合唱コンクールを行うという校長先生の判断は英断だと思いますが、何しろ準備期間が極端に短く、しかも課題曲・自由曲と２曲を仕上げねばならないそうですから、これは先生が慌てるのも当然です。それで、教え方のコツを教えて下さいということでレッスンにお見えになったわけです。

１年生担当だそうなので、曲自体はそれほど難曲ではありませんが、地声と裏声の使い分けとか、変声前の男子生徒への配慮とか、そもそも声の出し方がわかっていないとか、曲を歌うという以前の問題がいろいろあるようでした。丹田呼吸法や、パッサージョ（地声と裏声の転換点）の通過の仕方などのレッスンをして、あとは曲作りというより、歌詞を縦書きの（漢字カナ交じりの）普通の文章として読んでみて、曲に戻ってフレーズがどこまで続いているのかを認識することなどをお伝えしました。

練習期間は短いけれど、中学生の伸びしろは無限大です。生徒さんたちにとって有意義な経験になりますように。