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誌上発声セミナー再録(26)

裏声・地声・ミックスボイス

私たちは普段は地声で喋っています(たまに例外もいらっしゃいますが)。地声のまま音程を上げていくと、途中で声がひっくり返ります。そして、それより上の音域はそのひっくり返った声しか出ません。これは声帯の構造の問題で、声帯は引っ張って伸ばせば高い声を出すことができますが、声帯を伸ばすのにはおのずと限度があるので、限界まで引っ張った後それ以上の高音域を出すためには声帯の使い方を変えて、それまで声帯全体を振動させていたのを、今度は左右の声帯の合わさる縁の部分だけを薄く使って振動させるようにしないといけません。これが裏声です。

しからば、ミックスボイスとは何ぞや。即物的に言えば、声帯を裏声のように引き伸ばしながら、地声のように少し厚めに振動させるということです。その割合、塩梅は実際にレッスンしながら会得することになりますが、地声から裏声、裏声から地声の移行の途中で声がひっくりかえるところ(転換点(パッサージョ)と呼ばれます)を上手に通過する方法、もしくはその時の声をミックスボイスと呼んでいるわけです。

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