共鳴のしくみ
声楽発声で言う共鳴とは、声に響きをつけることです。音は硬いものに当たって反響し、空間で共鳴するわけですが、人体の中で硬い部分と言えば骨、そして、骨でできた空間が共鳴腔です。そのような部分を一つずつ見ていきましょう。
1.のど
息は声帯を通り抜けたら「声の素」(=喉頭原音)になりますが、ここではまだスキマ風のような音で、響きはついていません。口や副鼻腔のような広い空間に出てきて初めて響きがつきます。
さて、声帯の上から口の奥あたりまでを一般に「のど」と言いますが、声帯の上には喉頭蓋という蓋があって、飲食物を食道に送る時にはこの蓋が閉まり、声を出す時には開きます。その開き方が不十分だと、呼気が口や副鼻腔まで上がってきにくくなります。あくびをする要領で、喉頭蓋を立ててのどを広くしましょう。