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音楽と発酵(2)

鰹節にモーツァルト

鹿児島県枕崎市にある鰹節工場・金七商店では、本枯節(ほんかれぶし)のカビ付け工程でモーツァルトの曲を流し、「クラシック節」と呼ばれる鰹節をつくっています。
そこでは、カビ付けの全工程でモーツアルトを流し、部屋の入口にかけられた黒板には、その日に流れているモーツアルトの曲名が書かれているそうです。音楽を聴かせていなかったころに比べると、「カビののりが早く、きめが細かくなった気がする」と、四代目の瀨﨑祐介さん。
とはいえ、鰹節のカビ菌にクラシック音楽が効果的ということは、まだ成分的に実証されているわけではありません。しかし、瀬﨑さんが注目しているのは、鰹節づくりと酒づくりのカビの共通点。鰹節に最初に生えてくるカビは、パンに生えるのと同じ系統のペニシリウム属というアオカビですが、天日干しを繰り返していくうちに、アスペルギルス属という別の種類のカビに変わるのだとか。そしてそのカビは酒づくりに使われる麹菌と同じ種族だから、クラシック音楽を聴かせることで、「醗酵熟成も活性化し、よりおいしくなる確率が高い」というわけです。その解明は今後の研究を待つとして、瀬﨑さんが実感しているのは、音楽が人に与える影響。クラシックが流れる工場で鰹節と向き合うと、リラックスして、やさしい気持ちで鰹節を扱うことができるといいます。

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