無印良品のHPから、興味深い記事を転載します。何回かに分けてお届けします。
「かごめかごめ…」「せっせっせ…」子どもの頃、こんな歌を歌いながら遊んだことはありませんか? こうした「遊び歌」の他に、数え歌や絵描き歌というのもありました。子どもたちに歌い継がれてきた童歌(わらべうた)だけではありません。かつて、歌は行事や仕事の場に欠かせないものとして、人々の暮らしに寄り添っていました。
仕事歌
暮らしの中で歌い継がれてきた伝承歌謡の原形は、農作物の無事や成功を神仏に祈願する祝詞(のりと)風のものだったといわれます。それが次第に細分化され、祝い歌・盆歌(盆踊り歌)・子守歌・仕事歌(労働歌)など、それぞれの場にふさわしいかたちに整えられていきました。
労働の場で歌われる「仕事歌」は、作業を効率よく行う目的で歌われるもの。二人以上で仕事をするときは、歌うことで相手と息を合わせられるという利点があったのでしょう。同時に、きつい肉体労働をする中で、少しでも気分を引き立て自分を励ますための智恵だったのかもしれません。酒造りの現場では、歌で時間を計って仕事量を決めていたようですし、歌詞の中に作業工程を織り込んだ歌もあるとか。仕事歌は、タイマーや教科書としての役割も果たしていたようです。